ブルージャイアントは漫画家「石塚真一」さんの作品で、2013年から連載が開始された宮本大という少年がジャズサックスに目覚め、サックスプレイヤーとして成長していく様子を描いた作品です。
現在アメリカ編「ブルージャイアント エクスプローラー」がビックコミックにて連載中です。
👇前回の話
ブルージャイアント エクスプローラー第21話「ON A SLOW BOAT TO CHINA」
※2021年3月25日発売の7号に掲載された話です。
第21話「ON A SLOW BOAT TO CHINA」
アレックスの家に訪問し倉庫で作業をしているアレックスに話しかけているダイ
アレックス「何で……ボクなんかのところに?」
ダイ「1つは、君のドラミングが気にかかったから。あとはアレックスがどんな所で生活しているのか、興味があったんだ。」
アレックス「つまり…ヒマなんですね。」
アレックスのズバリの答えにズッコケるダイ
ダイ「ヒマじゃないっつーの‼ホラッ!楽器吹くのをコラえて来ているのだから。」
むくっと立ち上がるアレックス
アレックス「お昼でも食べに行きますか?」
ダイ「お!」
アレックス「ちょうどランチをとる時間なんです。」
ウンウンとうなずくダイ
ダイとアレックスは歩きランチを食べる店まで歩き始める
アレックスに街の中国人系の人から話しかけられるアレックス
ダイ「知り合い多いね。」
アレックス「まぁ、僕はこの街で生まれて、一度も外で暮らしたことがないから。」
ダイ「あのお店でずっと?」
アレックス「そう、同じ場所でずっと。ダイも見たでしょ。父なんか、あの店の椅子にボクが生まれる前から座っているんだ。」
ダイ「……あの椅子に君は…」
アレックス「イヤだね。絶対に座りたくない。今は仕方なくあの店を手伝い続けているけど、あの椅子にだけは座らないさ。」
ダイ「……ふーん……」
ダイ「あ!チャイナタウンだ‼」「うおおおお~~‼」
ダイ「中国に来たみたい‼」
チャイナタウンを見て興奮するダイ、その横でムッとするアレックス
アレックス「……」
場所が変わりスケートボード場、ジェイソンが他の人のスケボーを眺めながら考えている
ジェイソン「Yeah‼ Nice‼」
ジェイソン(ダイがスケボーをやっていたら、どんなメイクをきめるのか?きっと度肝を抜く技を目指すんだろうな…)
ジェイソンがスケボーをしている青年にはなしかける
ジェイソン「Nice‼俺のもちょっとチェックしてくれる?」
スケボー青年「ああ!」
ジェイソン「……いや、やっぱいいや」
スケボー青年「?」
ジェイソンがスケボーをやりながら考えている
ジェイソン(変だぞオレ…マジメすぎるだろ。)
場面が変わりダイとアレックスが中華料理屋に昼ご飯を食べに来ている
ダイは小籠包を食べて大興奮
ダイ「ウマ‼ウーーンマッ‼」
ダイ「おいしいねぇ~チャイナは‼こんなにうまいものに囲まれて、うらやましいよ!」「やあ~~うめぇ~~‼」
アレックス「………」
アレックスは黙々と食べている
アレックス「この店も古くて1960年代からやっているんだ。」
ダイ「へぇ~名店なんだね。」
アレックス「歴史があるのか、出ていく人が少ないのか…」
アレックス「さっき『中国に来たみたい』って言ってたけど、ココは中国ではないよ。かといってただのアメリカでもない。チャイナタウンという独自のコミュニティーなんだ。」
ダイ「素敵なコミュニティーだね。」
アレックス「素敵すぎてみんなここを離れないのか、それとも人種という壁で覆われていて出ていけないのか。」
ダイ「アレックスは?出ていきたいの?」
アレックス「でもそれは難しい。昨日あの店に立てたのは…イレギュラーなライブでドラムがいなかったから、たまたま僕に声がかかった。」
ダイ「オレの成功を難しいと言ったのも、その壁ってのがあるせい?」
アレックス「アジア系のボクはチャンスをもらえない。ジャズには明らかにヒエラルキーがある。黒人、白人ヒスパニック…アジア人は1番下だ。あなたがやってきたヨーロッパと、アメリカのジャズは、歴史も事情も人間も違います。」
真剣にアレックスの話を聞いていたダイ
ダイ「あ~~~ウマかった‼」
ダイ「ごちそうさまでした。」
ダイ「あ、今のは日本の食後のあいさつね。」
アレックス「日本人の友達がいます。知ってますよ僕だって。」
ダイ「なあ、アレックス、明後日のライブに参加してくれるかい?」
唐突の依頼にビックリするアレックス
アレックス「‼い、いいんですか⁉」
ダイ「ダメだ。」
アレックス「⁉」
ダイ「お前はヘタだ!」
ダイ「人種のカベ、アメリカの歴史、事情とか人間とか……」
ダイ「ナニをガタガタ言ってんだ?」
少し怒りながらいアレックスに言っているダイ
ダイ「人種もナニも関係ねえだろ‼」
ダイ「間にあるのは、ドラムだけだろ‼下手なくせによ‼」
アレックス「で、でも僕が言ってたのは事実で…」
たたみかける様にダイの説教?が続く
ダイ「逃げんなって‼グダグダ言ってねえで、練習しろよ‼」
ダイ「標準合わせて‼集中して‼練習しろ‼」
ダイ「周りのせいにしている場合か⁉手を動かせよヘタクソが‼俺達にはそれができる幸せがあるだろう!?」
ダイ「オレは練習に行く‼朝もやった。コレ昼飯代!」
アレックスにお金を渡して席を立ち離れるダイ
ダイ「チャイナタウン案内してくれてありがとう。楽しかった。」
店を出て行くダイ
席に座ったままのアレクスはうつむき考えさせられている…
場面が変わって、【JAZZ T-TANK】で明後日の打ち合わせをしているジェイソン
ジェイソン「ハイ、ではその段取りでMr.ミヤモトに伝えておきます。」
T-TANK店主「うん、よろしく。」
ジェイソン「それでは明後日に。」
T-TANK店主「明後日に。」
店の表でLIVE予定の張り紙を見ている二人組
その様子を見ているジェイソン
青年A「DAI?」「日本人か?」
青年B「おそらく!」
青年B「日本人プレーヤーかあ~~…」
青年A「アジア人のジャズ聴いても仕方ないだろう。」
ジェイソン「……」
場面が変わり川辺でサックスの練習をするダイ
そこにスケボーに載って登場するジェイソン
ジェイソン「ダイ‼店主と話してきた‼」
ダイ「サンキュー、ジェイソン!」
ジェイソン「ドラマーは候補はいるって伝えたけど、いいんだよな?」
ダイ「うん、ありがとう。」
ジェイソン「で、誰に頼んだんだ?ドラム。」
ダイ「アレックス・リュウ。」
ジェイソン「ハァ!?あの愛想のない中国人かよ‼」
ダイ「そう。」
場面が変わりアレックスの店の倉庫、ドラムに座るアレックス
ステックを握りながら考え込んでいるアレックス
場面が変わりダイが練習している川辺、ダイとジェイソンが会話している
ジェイソン「アレックスって、そんなに腕前良かったっけ?」
ダイ「今頃必死で練習しているさ。してなかったらおしまいだ。オレもやらないと。」
再びサックスを吹き始めるダイ
場面が変わりアレックスがドラムの練習をしている
何かに吹っ切れたのか激しくドラムをたたくアレックス
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ブルージャイアント エクスプローラー第21話の感想
前回、アレックスの「アナタがアメリカで成功するのは難しい」と発言が気になってアレックスの家に訪れたダイは、アレックスの闇が何なのかを探りに行きました。
予想はしていたけど、人種的な思い込みがアレックスを縛り付けていたようですね。
そんな人種的な問題を幾度も経験しているダイは、見えない壁に塞がれているアレックスが気になったんでしょうね。
「人のせいにするな、自分で打ち破る自信を付けろ」という様な事を言っていたと感じてます。
アメリカに来て無名の壁を打ち破ってきあダイにとっては小さな問題でもないように思えますね。
ダイ自身も「アジア人のジャズ」と言われているのですから、ここからは一気に実力で認めさせる方向になるのかな?
次回は再びダイと組むアレックスの成長が楽しみですね。
ブルージャイアント エクスプローラー第22話 考察
T-TANKでのライブがダイにとってとアレックスにとってのターニングポイントになっていくような気がしますね。
無名の壁を打ち破り、今度は人種のカベを打ち破ることで、ダイは今後大きいステージのオファーが舞い込む可能性が出てきます。
アレックスも自信をつけチャイナタウンを出ていく流れになって行くのではないでしょうか。
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