ブルージャイアントは漫画家「石塚真一」さんの作品で、2013年から連載が開始された宮本大という少年がジャズサックスに目覚め、サックスプレイヤーとして成長していく様子を描いた作品です。
現在アメリカ編「ブルージャイアント エクスプローラー」がビックコミックにて連載中です。
👇前回の話
ブルージャイアント エクスプローラー第23話「DO NO WHY」
※2021年4月25日発売の9号に掲載された話です。
第22話「DO NO WHY」
JAZZ T-TANKでアレックスが呼んだ友達が話している
友達A「お前、来たことあるの?」
友達B「あるわけねえだろ!」
友達A「ま…だよな‼」「アレックスから急に電話があってさ、頼むから来てくれって。」
友達B「へぇ~つかお前知ってた?あいつが音楽やってんの。」
友達A「いや、初めて知った。」
友達B「オレも。」
友達C「俺もだ。」
友達D「オレは知っていたよ。あいつの弟が昔言ってたから。見たことはねえけど。」
友達A「ギターか?」
友達D「いや、確か…ドラムだったと思う。」「レイ、お前ジャズ聴いたことあるの?」
友達C(レイ)「ジャズバー来たの初。」
友達D「テッドは?」
友達E(テッド)は首を横に振っている
友達D「ダニエル?」
友達B(ダニエル)「No」
友達D「マイケルは?」
友達A(マイケル)「Never」
友達D「オレもねえ。オレ達…なんか、この場にハマってなくねえ?」
アレックスの友達はアジア系アメリカ人で自分たちには場違いな場所だと思っている
テッド「追い出されてりして。」
レイ「そりゃねえだろ。出演者直々の誘いで来てんだから。」
マイケル「なんていうのか確かに…アジア系の客が少ねえな。」
テッド「いっそ散らばるか?」
友達D「おいおい」
レイ「ジャケット着用だった?」
マイケル「ソワソワすんなぁ~」
ダニエル「アレックスの奴、オレ達を笑おうとして呼んだか?」
アレックスの友達たちは自分たちはアジア系だから場違いだということをずっと言っている
場面が変わって楽屋、ダイやアレックスが楽器の準備をしている
ダイ「アレックス。調子はどうだい?」
アレックス「まぁ。」
ダイ「今夜は、サンフランシスコで最後のライブなんだ。」
アレックス「だね。」
ダイ「世界を旅して思うけど、中華料理ってのは最高だな‼」
アレックス「………」
ダイ「アレックスが連れて行ってくれた店の小籠包とワンタンメンの味、オレ一生忘れないと思う。」
アレックス「そんな…大げさな。」
ダイ「いいや‼アレはそれくらいうまかった‼でも俺は欲深いから…今夜のライブも一生覚えておきたい。」
じっとダイの顔を見ているアレックス
ダイ「だからアレックスは心のままに…」
ジェイソン「ダイ!地元紙の記者がインタビューしたいって。15分いいか?って」
ダイ「もちろん」
ジェイソン「OK」
アレックス「有名人ですね。」
ダイ「いつか記者たちを、オモテにズラッと並ばせて見せるわ!」
アレックス「………」
記者「ここ数回のライブでは、サンフランシスコのジャズファンの間で噂になっていますが、どう思われますか?」
ダイ「もっと噂になるプレーをしたいと思っています。」
記者「でもアナタは明日この街を離れてしまいますよね。バンドも組まず旅を続けている理由は?」
ダイ「サンフランシスコに来たのは、この街の音を探しているからです。この先も新しい音を探し続けるつもりです。」
記者「面白い試みと言えますが、逆に言えば成果は見えづらい。というより、見えませんよね。」「旅を続けた結果、全く意味を成さなかったという可能性は?」
ダイ「僕には自信があります。」
近くでインタビューを聞いているアレックスがびっくりした顔をしている
記者「世界一になるためにサックスをふいていますもんね?」
ダイ「ハイ、世界一になりたいと思っています。」「一方、どこかで世界一だと思いながらプレーしています。だから、自分が決めたこの旅を無謀とは感じません。」
記者「なるほど…興味ありますね。」「自身の根拠は?」
ダイ「僕が僕を信じている。そう決めたので。」
記者「なるほど、今夜のステージ期待しています。」
ダイ「ありがとうございます。素晴らしいメンバーが揃いました、最高のライブになるでしょう。」
少し力みだしたアテックス
場面が変わり、ライブが始まり凄まじい勢いのライブになっている
客A「ハハッ…ドラムもアジア系か。」
客B「面白いね」
客A「悪くないな。」
客B「ああ…全然悪くない。」
客A「フォウ‼」
客B「Yeah Yeah‼」
テッド「これ…声出していいの?」
マイケル「さあ………」
友人D「なんか…良くね!?」
レイ「………アレックス…」
ダニエル「やるじゃん…‼」
いつものペースでダイはサックスを吹いているのに対してアレックスは必死について行っている感じでドラムをたたいている
アレックス(ついて行く‼ついて行く‼いや、違う‼ついて…逃がさないぞ‼‼)
ライブ会場は盛大に盛り上がっているなか、ダイがライブMCに入る
ダイ「ありがとうございます。一曲目はハイテンポな「I’m here」という曲を演奏しました。」
ダイ「サンフランシスコでの最後の夜、色んなお客さんが来てくれました。」
ダイ「ジャズの楽器も色々で、このサックスという楽器はベルギー人によって生まれました。」
ダイ「コントラバスの祖先はヴィオローネという楽器で、やはりヨーロッパで生まれました。」
ダイ「ピアノは、」
客席から「Italy!」の声が響きます
ダイ「そう、イタリアで生まれた楽器です。」
ダイ「ドラムセットは?」
客席から色々な国の名前が飛び交っています
ダイ「正解はアメリカです。」「昔は個別の奏者が叩いていた楽器を、D.D.チャンドラーという人がギャラを独り占めするために考え出したそうです。」
ダイ「そして、楽器と同じようにジャズにもボーダーは見えなくて、ウマイとかヘタとか、誰がやっているってのもジャズそのものと関係が無くて…誰がやってもジャズはジャズだ‼」
静まり返るライブ会場
ダイ「さて、次の曲はドラマーのアレックス・リュウのソロからスタートします。」
アレックスの友達が声援を送っている
ダイ「このソロで、ギャラ全部を持っていかれるかもしれません。」
会場が笑い声で盛り上がっている
アレックスのドラムソロが始まる
気持の籠ったドラムは会場やダイにも届いたようで、ライブがより一層盛り上がり始める
ダイ(心のままぶっ叩いたな。一生忘れないぞアレックス。)
涙を流しながらドラムを叩いているアレックス
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アメリカ縦断の旅、第2の都市ポートランド遍
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ブルージャイアント エクスプローラー第21話の感想
遂にサンフランシスコでの最後のライブが始まりました。
自身の成長と共に、アレックスの殻を打ち破るためのライブが始まったようです。
アレックスが呼んだ友達も、初めはアレックスのような閉じこもった感じの性格が揃っているようだったが、アレックスのプレーを見ていると自然と盛り上がり始めて、ライブに入り込んでいましたね。
ダイとジェイソンは、アレックスにこのライブを通じて「壁は自分たちで作っている」というのを言いたかったのではないでしょうか。
見事にダイの気持ちが通じたようで、心から楽しんでプレーしているアレックスでしたね。
ブルージャイアント エクスプローラー第23話 考察
サンフランシスコでの最後のライブが始まり、アレックスの心の壁を打ち破ることに成功したダイは、ライブの大成功と共にサンフランシスコを離れるのですが、あの記者がポイントで、記者に認められたダイはそろそろ大きなステージに立つような予感がします。
ストーリー的にここいらで大きな転換期が来てもいいと思います。
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