現在アメリカ編「ブルージャイアント エクスプローラー」がビックコミックにて連載中です。
👇前回の話
ブルージャイアント エクスプローラー第11話「GRAND STREET」
※2020年10月25日発売の21号に掲載された話です。
第11話「GRAND STREET」
シアトルから次の街へ車で向かう大
大「おーし…。高速に入るぞ‼」
ハンドルをぎゅっと握りしめながら運転している
大「アレだべ…、フゥーッ。フゥーッ。」「あ、ちょっ待った‼料金かかんなかったよな⁉タダだったよな⁉」「つか、うおおっ‼広っ‼」「どこ走るんだ、コレ⁉」「この車線⁉合ってる⁉」
初めてのアメリカの高速道路で戸惑いながら走る大。
後ろから来たトレーラーにパァーって鳴らされる大
大「トラックでかッ‼風圧死ぬほど来るべ‼こーわっ‼」「もしかして……オレ遅い⁉」「50キロ…いや50マイルか…って何キロだ⁉」「とにかく…乗れたべ、高速…。」
シアトルの町をサイドミラー越しに見る大
大「なんとかシアトルを出られたか…。」
ガソリンメーターが「E(エンプティー)」を指して、警告ランプが付く
大「あらら…下道に降りなきゃー。」
ガソリンスタンドでガソリンを入れようとしている大
大「えーと、オレはキャッシュだから、えーと…」
店員に向かって話す大
大「あの、20ドル分をあの車に。」
店員「6番?」
車にガソリンを入れようとしている大
大「ちゃんと来るか…?」
ジョゴーとガソリンが流れ込んできた
大「おーし、きたきた‼ヨーロッパじゃ、やってもらってたかんな…。」「記念すべきアメリカ給油1回目。」「あと何回給油するんだべーーー?」
給油口を閉め、車に乗り込む大
大「しばらく下道で行くべ。」
しばらく車で進むとカーオーディオが少し気になる大
大「いや~音楽はまだ…もう少し運転慣れしないと‼」
やはり少し気になる大
大「まあ、ラジオぐらいなら…。」
ラジオを付ける大
スピーカーから大音量の音が聞こえる「ガーー♪ガーー♪ガーーー♪」
大「おわあっ‼ちょ…ロック‼ちょっ…、待った待った‼」
慌ててカーオーディオの電源を切る大
大「フゥー。今はまっだ集中だ!集中…。」
しばらく進むと道端にヒッチハイクをしている中年男性が立っています
びっくりしながら通り過ぎる大
大「マジかあ…初めて見たわ。」「いるんだな、ヒッチハイカー…ヨーロッパではぜんぜん…」
またもや後ろからトレーラーがクラクションを鳴らしながら追い越していく
大「うっ‼こんなんだもんな…ヒッチハイカー乗せられる感じじゃねえべ…‼」
しばらく進むと少し落ち着いたのか考え事をしだして大
大「現在午後3時。目指すは、オレゴン州ポートランド。安全運転で目標到着時刻は夜7時ー」「ヨーロッパを巡ってた時は、出発時間も到着時間も、任せっきりだったもんな…ありがとう、ガブ」
大「アメリカに来て、本当の1人旅が始まったな。」「今はたった一人で、でもただの旅じゃ、ただの旅行者じゃないぞ。」
「アメリカを周ってジャズバーを巡ることが目標じゃない。」「この国で生まれたジャズの伝統を追う…それも違う。」
「新しいジャズを探す。そして新しいジャズを創るんだ。トラベラーじゃない。」
「オレは、エクスプローラー(冒険者)だ。」
シアトルで買ったホットドックを掴むと運転しながら食べだした大
「腹減ったな…うんまっ‼」
そこで道端でまたもやヒッチハイカーを見つける
大「うおおっ、またヒッチハイカー‼」
大は片手で食事の為、通り過ぎる
大「車がめっきり減った。」「あのヒッチハイカーどれくらいあそこにいるんだろ…」
過去にヨーロッパで出会ってきた人達の顔が浮かぶ大
大「オレは助けられてきたな。」「みんなに助けられて、オレがあって、ここまで来た。」「アメリカを1人で車で、自分で走ってる。」「凄いことをさせてもらっている…!」
先ほどのヒッチハイカーまで戻ってきてクラクションを鳴らす大
大「どど…どこまで?」
ヒッチハイカー「南。」
自分でのせておきながらドキドキしながら心の中で「乗せちゃったよ」と動揺している
大「ハイ」
ヒッチハイカー「あんがと。」
このヒッチハイカーは名乗りもしないのか?と思う大
大「あの…ダイって言います。はじめまして。」
ヒッチハイカー「ジェイソン。」
握手をして車を再び南へと走らせた。
しばらく沈黙の車内が続く
大は頭の中で考えている
大「んーー、イージー…自由な雰囲気‼一体何者だべか⁉まさか銃なんか持ってたり‼」
するとジェイソンが喋りだした
ジェイソン「この車、壊れてるの?」
大「いや、バッチリ整備したばかりだけど…どうして?」
ジェイソン「ズイブンゆっくり走ってるからさ。」
大「ああ…」「今日が俺のファーストドライブなんだ。この車に乗るのも初めてだから。」
ジェイソン「ってことは、初ドライブでオレを乗せたってこと?」
大「Yes.」
少し不安そうに大をみるジェイソン
大「アナタを、乗せなきゃいけないと思ったんだ。」
ジェイソン「O…K…」
戸惑いながら返事をするジェイソン
大「ところで…ジェイソンは何をしているの?」
ジェイソン「仕事?」
大「そう」
ジェイソン「今は働いてない。というわけで、今はコレをね。」
リュックからスケートボードを取り出し、大に見せるジェイソン
大「…スケボー!」
凄く使い込んであると思いながら横目でスケボーを見る大
大「ジェイソンてプロのスケートボーダー?」
ジェイソン「NO…」「プロはごめんだね。」「楽しいからやっているんだ、それだけさ。」
大「プロは楽しくない?」
ジェイソン「そうさ、誰かを蹴落としたり蹴落とされたり、楽しさと交換に大金と名声を得る…?考えただけでゾッとするよ。」
ジェイソン「街々のパークでライドして、あとはクラフトビールを飲んで金が無くなったら工場で働く。」「これがオレのスタイルで、言う事なしさ。」
ジェイソンの発言の「プロは…楽しくない…か⁉」を運転しながら考える大
ジェイソン「ダイは?」
大「オレは、ジャズプレーヤー、プロのね。」
ジェイソン「Jazz?」「そいつは辛いねえ~。」
大「辛い?どうて?」
ジェイソン「アレだろ?スーツ着た年寄りが演奏する昔の音楽、たしか歌とかも無かったし。そもそも誰も聴いてねえもんな。Jazz.」
こんな風にJazzの事を世間は思っているのか…これがアメリカでのJazzの現実なのかと考える大
大「ジャズはクールで、新しくて凄くカッコいい音楽で!たくさんの人が聴いてるんだ!」「ジェイソンも聴いた方がいいよ!」
なんてシリアスなドライバーなんだと思い大を見るジェイソン
大「ポートランドでそれが受け入れられるかどうか…」
ジェイソン「はあ!?」
◆次号につづく◆
BLUE GIANT SUPREME11巻とBLUE GIANT EXPLORER1巻同時発売
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ブルージャイアント エクスプローラー第11話 感想
今回はシアトルを出発して、アメリカで初めて一人だけでの運転を経験して、ヨーロッパでは色々な人に助けてもらいながら過ごしていたことを思い出すシーンで、自分はただの旅行者じゃなく冒険者なんだと再確認した大が更に成長をしていくように感じました。
作者の考えはわかりませんが、ジェイソンの考えが基準となることで大の考えはポートランドでどんな苦難が待ち構えているかを感じ取られます。
第11話はなんてことないことなんですが、ジェイソンの登場で深く考えさせられる内容でした。
ブルージャイアント エクスプローラー第12話 考察
ヒッチハイクをしていたジェイソンを車に乗せ目的地の「ポートランド」に向かっている大はまずはサックスの練習が出来る場所を探しに行くと思います。
そしてこの街での最終目標はジャズフェスティバルに参加するメンバーを見つけると思われます。
次号22号は11月10日の発売になります。
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