ブルージャイアントは漫画家「石塚真一」さんの作品で、2013年から連載が開始された宮本大という少年がジャズサックスに目覚め、サックスプレイヤーとして成長していく様子を描いた作品です。
現在アメリカ編「ブルージャイアント エクスプローラー」がビックコミックにて連載中です。
👇前回の話
ブルージャイアント エクスプローラー第18話「PRETEND」
※2021年2月10日発売の4号に掲載された話です。
第18話「PRETEND」
ポートランドから車で南下してサンフランシスコを目指しているダイとジェイソン
ジェイソンは助手席で眠そうにダイに質問をする
ジェイソン「ファアア~~」「良かったって言っていたけど、実際の所どうだったんだ?」「ポートランドでのライブは?」
ダイ「ライブ前夜にラジオに出たのもあって、お客さんは来てくれたんだ。」
ジェイソン「何人?」
ダイ「オレ目当てのお客さんでだけで言うと、15~20人ぐらい…」
ジェイソン「15…たったの⁉」
ダイ「初めて聴く外国人のライブにしたら、15人はよく集まった方さ!」
ジェイソン「トータルで何人きたの?」「それとチケット代は?」
ダイ「31人。チケットは8ドル。」
ジェイソン「ふーん…ダイの稼ぎは$250ってとこか。」
ダイ「違うよ。店に50ドル払ってから4人で分けたから1人50ドル弱さ。」
ジェイソン「50ドル⁉そんだけ⁉」「じゃー、ポートランド滞在の収支はマイナスだろ!」
ダイ「うん、でも妥当なギャラだと思うけど…」
納得いかない感じのジェイソン
ジェイソン「信じられないね。」「そいつは何かが間違っているね。」「ひどく間違っている。」
ダイ「間違い?」
ジェイソン「チケット単価か集客か…」
何かを考え込んでいるジェイソン
ジェイソン「Hey!オレがマネージしてやろうか?」「ダイのエージェントになってやるよ。」
ダイ「はぁ~~~~~⁉ジェイソンが⁉」「そんな…だって、ジェイソンて音楽のこと…ジャズに興味あったっけ?」
ジェイソン「まっっっっったく知らないし、興味もないね。」
ダイ「やいやいや、そんなんじゃ無理だろう~~~‼」
ジェイソン「ダイの集客には興味あるな。第一オレ暇だし。」
ダイ「やいやいやいやいや…」
車がモーテルに到着する。
ダイ「フ―――だいぶドライブしたな。」「今夜はここにするか…?」
ジェイソン「モーテルか。オレは普段は泊まらないけど、いいよ。」「ダイと同じ部屋で。」
ダイ「はぁ⁉」「ジェイソンとオレが一緒⁉」
ジェイソンが車から降りてダイに話している
ジェイソン「車停めて来いよ。オレが受付しといてやる。」
ダイ「おい‼」
ツインの部屋で泊まる二人、ジェイソンはすでに寝ているが、ダイはマップを見ている
スースーと寝ているジェイソンを見ながらジェイソンの事を考えている
ダイ(急にフトコロに飛び込んでくるこの感じ…変な奴だな。)
地図を開き今まで通ってきた道をマーカーでなぞるダイ
ダイ「サンフランシスコ」
ダイ(アメリカに来て一番の大都市…ポートランドでつかんだことを試したい。そして大都市ならではの新しい音を探す。サンフランシスコでかますぞ‼)
翌朝、再び車でサンフランシスコを目指して進む二人
後ろから車が勢いよくダイの車を何台も追い越していく
ダイ「おわっ‼まただ‼」「大都会に近いせいかな?みんなグイグイ追い抜いていくのは。」
ジェイソン「あん?この車のナンバーに書いてあるじゃん「PASS ME(おさきにどうぞ)」って。
ダイ「マジで?え?」「…さては、エディのイタズラだな…」
ジェイソン「ほら、ベイブリッジだ。見えてきたぞ、ダイ。」「サンフランシスコさ!」
ダイ「おお~~、デッッッケエ~~~‼」
ジェイソン「この街の特徴は『多様性』。」「考え方、ライフスタイル、思想、人種、性別…全てのモノに多様性があって存在している街さ。」「新しいビジネスもBay Areaからどんどん生まれている。」「ま、オレはここのスケートパークにしか興味ないけどね。」
ダイ「うおー!確かに、いろんな人がいるな~~‼」
ジェイソン「で、この街で何から始めるんだい?」
ダイ「うん、ライブハウスを回って、ライブをさせてくれる場所を探す。1軒でも多く…」
ジェイソン「いにしえのやり方っぽいな。」「でも、行こう。」
ダイ「まずは近い店。」
ジェイソン「OK、ダイ。」
JAZZ BARのような場所に到着して車を降りるダイ
ダイ「ここだ、ジェイソンはもうこの辺で…」
ジェイソン「大丈夫、オレも行く。」
ムスッとした顔をするダイ
ダイ「ついてきてもいい。でも黙っててくれよな!俺のやり方があるんだから!」
ジェイソン「OK」
ダイ「よし、フゥーー‼」
ダイが店員に自分の経歴を話している
ダイ「はい。ヨーロッパ諸国でライブをしてアメリカまでやって来ました。」
店員「バンドは?」
ダイ「今は1人旅の途中なのでバンドには入っていません。」
店員「アメリカでのライブ実績は?」
ダイ「シアトルでサポートをやって、ポートランドで一度ライブをやりました。」
店員「う―――ん…名もなし、バンドもなしか……。ウチは小さい店だけど、オファーは出来ないねえ。」
ダイ「あの、演奏させていただけたらきっと満足いくかと!」
店員「無理だね…」
最初の店で断られたダイは店を出て表でジェイソンと話をする
ジェイソン「アレが、ダイのやり方か?アレで良くポートランドでライブできたな!」
ダイ「………」
ジェイソン「あんなやり方じゃ全部のライブハウス回ったって、どこもステージに立たせてなんてもらえないさ。」
ダイ「………」
ジェイソン「サンフランには有名なステーキ屋があるんだ。ダイ、お前食いたくねえか?」
ダイ「ステーキ?スゲェ食べたいけど?」
ジェイソン「オレも食べたい。そこでだ!今からエージェントのオレが交渉する!」「で、もし今日中に2軒のオファーが取れたら――――」
ダイ「取れたら?」
ジェイソン「今夜ステーキをおごってくれ。どうだ?」
ダイ「………」
車に乗って次に交渉する店へ向かう二人 ダイが助手席で道案内をして、ジェイソンが運転している
ダイ「えっと、突き当りまで真っすぐ行って右折で―――」
ジェイソン「オーライ」
ダイ「なあジェイソン、なんでさっきの店から行かないの?」
ジェイソン「あの店は店主の気持ちもろともダイがフタをしちまったからな、今日もう一度行ったところで無駄さ。」「なに、明後日になりゃまたチャレンジできるよ。」
ダイ「あっ…そ。」
サンフランシスコの坂を上る車
ダイ「それにしても凄い坂だね。」
ジェイソン「坂の上まで行ったらダイのインタビューするぞ!」
車の中でダイの情報を収集するジェイソン
ジェイソン「ほうほう、、オランダの『ノースシー』ってフェスとイギリスのロックフェスだな?」
ダイ「うん、別のフェスでは、アメリカのサム・ジョーダンってベーシストとプレーしたんだ。」
ジェイソン「そのサムっての有名な奴か?」
ダイ「うん、長年活躍してるプレーヤーでね。そのサム・ジョーダンが推薦人になってくれて、オレはアーティストビザが取れたんだ。」
ジェイソン「いいね、それ最高だ!」「あとは、日本ではどこでプレーしたことあんだ?」
ダイ「ライブハウスにフェスに…あ、そうだ。「So Blue Tokyo」っていう有名なクラブでもプレーしたことあるよ。オレ達がそこでの最年少のステージだったんだ。」
ジェイソン「「So Blue」ってなんか…オレにも聞いたことがあるぞ。」
ダイ「うん、ニューヨークに本店がある世界的なクラブだからね。」
ジェイソンは物凄く驚いた顔をしている
ジェイソン「お前……」
ジェイソン「いや、何でもない。次は回る店をリストアップしよう。」「1軒目は「SFC JAZZ」と…」
ダイ「なんで1軒目が「SFC JAZZ」なの?」
ジェイソン「中の上以上の店からあたってオファーをもらえば、それを次の店で使う事が出来るだろ?」「デカい店のオファーが取れる人間なんだぞ」とな。
ダイ「なるほど!」
ジェイソン「えーと、「SFC JAZZ」から例えば「J saloon」に行ってその後は…」
ダイ「いいのか、ジェイソン?」
ジェイソン「ん?」
ダイ「スケートボードやらず、オレに付き合っていて…」
ジェイソン「いいんだ、楽しいからね。いいかダイ、お前は俺の隣で堂々と威厳のある顔をしとけ。オビ=ワンみたいにね。」
怒ったような顔をするダイ
ダイ「こうか?」
ジェイソン「それは起こった時のチューバッカだ。」
ダイ「じゃあこう?」
ジェイソン「もっと威厳を。そうだダイ、ワイシャツとか持っていたら貸してくれ。」
SFC JAZZに着いた二人は店主と交渉しています
ジェイソン「東京では『So Blue』のステージに‼オランダでは「ノースシー」、イギリスの「ノーザンプトン・ロックフェス」と、申し分ない舞台で活躍してきているのです。」「それに、ドイツのレーベルから2枚ものアルバムをリリースしています。『SFC JAZZ』で演るには十分の経歴です。
SFC JAZZ店主「う―――ん、しかし、バンドメンバーすらいないんでしょ?」
ジェイソン「ああ、そんなのはたやすく集まりますよ。アナタの知り合いの街のプレイヤー達に、『スーパープレーヤーと一緒に演りたくないのか?』って言えばいいんですよ。彼のパワフルなプレーを聴いたらメンバーが驚く、客も驚く、会場全体が驚くはずです。」
SFC JAZZ店主「うーーん…そればかりは、聴いてみないことには。」
ダイ「あ、良かったら直ぐにでも…」
ダイが喋ってる途中に手で口をふさぐジェイソン
ジェイソン(安い奴だと思われる。吹かなくていいよ。)
SFC JAZZ店主「『SFC JAZZ』はベイエリアでも屈指の店で、客席も200を超えるからね。」
ジェイソン「彼の知名度の低さを心配しているのですね?」
SFC JAZZ店主「客席が埋まらないことにはどうしようもないからね。」
ジェイソン「確かにまだ知名度は低いけれど、今のうちに彼をステージに立たせるのは後々を考えればメリットになるはず。いや、絶対になります。」
ジェイソン「内密な話なんですが、Mr.ミヤモトは今「全米を無名でまわる」というプロジェクトの最中なんです。」「サム・ジョーダンのお墨付きで始まったツアーでしてね!もちろん当日は記録もさせてもらいます。断ってもいい。ただ、断ったって事は記録させていただきます。」
場所が変わりレストラン「COCKTAILS」
ダイ「最初の店のアレは、いくら何でもマズかったんじゃないの?」
ジェイソン「何が?」
ダイ「『無名のプロジェクト』ってのは…」
ジェイソン「いいじゃん、現実にすりゃ。第一バレっこねえよ。」
ダイ「やあ~~~どうかなぁ~!ウソついてまでオファー取るってのは…」
ジェイソン「マジメすぎるんだよ、ダイ。お前はストイックすぎる!ケンキョとか金が無いとか、何一つ得にならないぞ。」「クソみたいな音楽をやっている奴を、ケンキョだからとかかわいそうだからとかなんて理由でステージに立たせねえだろ?落ち目の奴なんか誰も見向きもしない。少なくともこの国じゃそうさ。」
ジェイソン「ケンキョの前にハッキリと自分をアピールしろよ。お前は俺みたいにヒッチハイクをしている身じゃねえんだから。」
ジェイソンの話に驚いているダイ
ジェイソン「アピールだけで中身のない負け犬はくさるほど、ワンサカいるんだ。でもダイは違うだろ?ストイックに努力して、コツコツ実績を積んで来てるんだろ?その全てを前面に出せよ。自分の過去を誇って行けよ。」
ジェイソンの言葉が胸に刺さったような顔つきのダイ
ジェイソン「ダイ、お前本当に食わなくていいの?」
ダイ「二人分の金なんかねえよ。」
美味しそうにステーキを食べるジェイソン
ジェイソン「う~~ん、ウマイ!」
パンを食べながら話すダイ
ダイ「それにしても、『スーパープレイヤー』ってのはちょっと大げさだったんじゃ―――」
ジェイソン「はぁ?」
真剣な表情でダイを見るジェイソン
ジェイソン「何言ってんだ、お前は本当にスーパーだろ。」
◆次号につづく◆
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ブルージャイアント エクスプローラー第18話の感想
ポートランドを後にして次の目的地の『サンフランシスコ』に向かう二人がサンフランシスコに近づくにつれて仲良くなってきましたね。
劇的に変化していったのはジェイソンだと思いましたね。
完全にダイのサックスを聴いてから、ダイに対する考えが変わってきてるように見えます。
遂にエージェントとして働くと言ってしまいましたね。
BLUE GIANT SUPREME編のガブリエル・ベール(ガブ)のような存在になっていくのでしょうか?仲間が出来ましたね。
ダイの交渉が下手なのは今に始まった事ではないのですが、ジェイソンは巧みに交渉をまとめていくので今後が楽しみですね。
何と言っても音楽を知らないジェイソンがダイの音楽を認めた、その才能を認めたといういい会になりましたね。
ブルージャイアント エクスプローラー第19話 考察
サンフランシスコに到着して、いきなりライブをすることになったダイはどんどんライブをこなしていき、徐々に知名度が上がっていくのではないでしょうか。
今回の話で、最終目的地が明らかになりました。
ニューヨークの「so Blue N.Y」が最終目的地になるということですね。
それまでの道のりをジェイソンと共に行くのかが見ものですね。
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