小説・漫画両方面で人気上昇中の作品『薬屋のひとりごと』。
猫猫は様々な事件を見事解決していきますが、中でも翠苓(スイレイ)が起こした祭事中の事故はなぜ起こったのか、そもそも何故壬氏(ジンシ)がそこにいたのか、気になった方も多いのではないかと思います。
そこでこの記事では、何故壬氏が狙われているのかについて詳しく紐解いていきます。
壬氏とは何者?
そもそも何故宦官である壬氏があのような祭事の場にいたのでしょうか。
その答えを知るには壬氏の出生の秘密を知らなければなりません。壬氏の出生はかなり複雑です。
壬氏の本当の正体は、なんと現皇帝と阿多妃の間に産まれた『現皇帝の実子』!皇太后も同じタイミングで出産を控えていたため、当時即位前だった現皇帝の子ということもあり阿多妃の出産は後回しにされてしまいます。
難産を極めた阿多妃が我が子の行く末を案じ、二人の赤子を取り換えてしまったことによって事態は複雑に。
後に阿多妃の元で育った子供は蜂蜜を与えていたことが原因で亡くなってしまいますが、この時なくなっていたのが本当の皇太后の子供、現皇帝の実弟ということになります。
おそらく本当の実弟がなくなった後に取替えの事実が発覚したのでしょう。壬氏は現皇帝の実子であるという事実を伏せられて、そのまま実弟として育てられていきます。
壬氏は物語当初より宦官として後宮を出入りしていますが、これは現皇帝の命により反逆者探しやふさわしくないものの選別のための、いわばスパイのために身分を偽り後宮に潜入していました。
現皇帝の実子であれ、実弟であれ、そのような身分であれば壬氏があの場にいたことも頷けます。
【薬屋のひとりごと】壬氏の正体は?出生の秘密や猫猫との関係は?
壬氏が命を狙われた理由とは?
では壬氏はなぜ命を狙われたのでしょう。
壬氏が命を狙われたのは、おそらくは『宦官である壬氏』を狙ったというより『現皇帝の実弟』を狙った犯行ではないかと思います。
実際に一連の事件を仕組んだであろう翆苓は子翆(楼蘭妃)の異母姉、そして楼蘭妃(ロウランヒ)は母親の受けた仕打ちの復讐として他の上級妃に毒を盛ります。
現皇帝の子や実弟が命を落とせば、やがては後継者ができず、皇帝の家系が根絶やしになると考えたのではないでしょうか。
翆苓も妹を可愛がっていたという記述もあることから、やはり復習に加担したと考えるのが自然かもしれません。
この反逆の結果、楼蘭妃は自害、子の一族は根絶やしとなります。そりゃそうですねよ、皇帝の家系を潰やそうをしたんです。
そうとなると一族ぐるみで皇帝を貶めようとしたわけではなく、単純に楼蘭妃もとい彼女の母親である神美(シェンメイ)個人の恨みを晴らすための行動なのではないかと思います。
それにそもそも『宦官である壬氏』を狙った犯行、あるいは『壬氏の正体も知っている者』の犯行であれば、宦官として活動している時に壬氏が狙われるのではないでしょうか。
そう考えると裏でそういう意図が働いていたり、実は正体を知る者が黒幕ということも考えづらいと思います。
壬氏の正体を知っている人物は誰?
壬氏の本当の正体(現皇帝の実子であること)は、壬氏本人も知らないとされており、知っている者は数えるほどしかいません。
当事者である現皇帝と阿多妃、そして皇太后のみです。
ですが壬氏が現皇帝の実弟であるという事実は他にも知っている者はいるようです。
育ての親ともいえる乳母の水蓮(スイレン)や壬氏に幼い頃から仕えている高順(ガオシュン)。
おそらく高順の息子である馬閃(バセン)も公の場で壬氏の世話をしていたことから正体を知っているのではないかと思います。
壬氏の正体は出生の秘密に比べれば知っている者は多いものの、そんな人物がふらふらと後宮内を自由に動いているなんてあちこちで知られれば、翆苓に限らず様々な陰謀で命を狙われかねません。
そのため本当に信頼できる側近者しか知らないのではないでしょう。
実際もしこの事実が側近以外の人間に洩れれば、後宮での隠密行動などままならなくなってしまいます。
今回の事件の要である楼蘭妃は皇帝の寵愛を受ける上級妃であり、父親・子昌(シショウ)は先帝の皇太后に気に入られていた上級官僚の宰相ではあります。
ですが直接宦官の壬氏を狙ってこないということは、おそらく壬氏=皇帝の実弟という事実は知らなかったのではないかと思います。
壬氏を殺してメリットのある人物は?
壬氏を殺すことでメリットがある人物はと考えると、壬氏をどういう人物だと認識しているかで変わってくるでしょう。
《宦官である壬氏》
この場合考えられるとしたら、悪事や反逆の意を悟られた上官でしょう。
自分たちの後ろめたい行いを、水面下で探り暴こうとする壬氏を疎ましく思う者がいれば、それ以上探られないように手を下す可能性もあるかもしれません。
《現皇帝実弟である壬氏》
この場合はお世継ぎ問題が絡んできそうです。現段階で玉葉妃が東宮を産んでいるとはいえまだ赤子。
仮にここで壬氏が皇帝の実弟だと知れ、皇帝が何らかの原因で死去してしまった場合、次の皇帝は壬氏ということになります。
そうなった場合だと都合が悪くなる上官や、あまり考えたくはありませんが東宮の母である玉葉妃は壬氏の存在を疎ましく思う可能性もあるでしょう。
《現皇帝実子である壬氏》
基本的に実弟の場合をそこまで変わらない気もしますが、壬氏が現皇帝の子供ということは今後いくら東宮が生まれても第一の継承権が壬氏にあるということ。
そうなると過去阿多妃に魔が差したように、可愛い我が子のために魔が差す上級妃も出てくるかもしれません。
これも今まで各妃を見てきている手前、あまり考えたくはないですが。
今後まだ壬氏が狙われる可能性は?
今回の暗殺の大元が楼蘭妃や神美であるとすれば、同じ理由で壬氏が命を奪われることはないでしょう。
ただし今度壬氏の正体が周知の元にさらされた場合は話が別でしょう。
また別の理由で命を狙われる可能性も出てきます。
壬氏を宦官として後宮に遣わしている理由の中に、壬氏の嫁探しがあることを考えると、現皇帝もゆくゆく壬氏の真実を明かして皇帝の座を譲りたいというわけでもないとは思います。
そんなことになったら妃になりたいわけではない猫猫とも距離ができてしまうので、是非ともご遠慮いただきたい展開です。
ですが現皇帝が突如亡くなることや、何らかの事情で情報が漏れることもあるのかもしれません・・・。
まとめ:【薬屋のひとりごと】壬氏の命を狙われた理由は?犯人は誰?
壬氏が命を落としそうになった、祭事中の事故。
仮死状態になることで犯人である翆苓は逃亡してしまいますが、彼女は楼蘭妃のいる子の一族でした。
このことから楼蘭妃が上級妃に毒を盛ったこと同様、先帝への恨みを晴らすため祭事に参加していた現皇帝の実弟(壬氏)の命を狙ったのが濃厚そうですね。
楼蘭妃を含む子の一族は根絶やしにされてしまったのでもう壬氏が命を狙われることはない・・・と断言したいですが、壬氏の抱える秘密を鑑みると、これからも何か波乱があってもおかしくなようにも感じてしまいます。
猫猫との恋模様もまだまだ楽しみたいし、壬氏のこれからが平穏であることを願うばかりです。
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