『薬屋のひとりごと』、その中で主人公の猫猫と共にストーリーの根幹となる重要なキャラクターなのが宦官である壬氏(ジンシ)です。
宦官という役職にしては不可解な点が出てくることから、謎の多い存在でもあります。
そこで壬氏の正体は何者?出生の秘密や猫猫との関係は?などの疑問を紹介していきたいと思います。
壬氏の正体は?どんな人物?
壬氏は宦官の一人です。
宦官とは男子禁制の後宮で仕事をする、大事なものをなくした元・男性のこと。
壬氏が猫猫に目をつけたことで、猫猫は様々な事件を解決して行くことになります。
年齢は24歳(物語開始当時)。
男女問わずに魅せられてしまう美貌の持ち主で、天女と称されるほど。
割と序盤で男性から催淫剤入りの包子をもらうというエピソードもありました。
自分の顔の良さを十二分に理解しており、頭の回転も早く、持ち前の美貌を活かしてうまく立ち回ったり、周りをうまく動かして猫猫を助けたりします。
しかし物語が進んでいくにつれて壬氏に関して、様々な真実が明らかになってきています。
壬氏の正体は?
ズバリ!壬氏の正体を明かしてしまうと、実現皇帝と阿多妃との間に生まれた子供、つまり皇位継承権を現皇帝の東宮です。
本名は華瑞月(かずいげつ)と言います。
なぜ宦官ではないのに男子禁制の後宮に出入りできていたのか、それは壬氏が皇帝陛下の血縁であったからだったんですね。
園遊会などで皇帝の弟がなかなか姿をみせないことにも納得です。
阿多妃の子供は蜂蜜の毒で亡くなったのでは?と思うかもしれませんが、ここでガンガン版4巻第18話で見せた猫猫の推理が当てはまってきます。
阿多妃は皇太后の2人目の子供(現皇帝の弟)と同時期に出産しています。
現皇帝が生まれる時のこともあり、阿多妃の出産より皇太后の出産が優先され、その結果阿多妃は難産となり、子宮を失います。
ここで精神的に弱っていた阿多妃が皇太后の子供(現皇帝の弟)と自分の子供(壬氏)がすり替えていたとしたら?
そして本物の皇太后の子が亡くなっても、阿多妃の子供がそのまま現皇帝の弟として育てられていたとしたら?
この猫猫の推理が正解だったということです!青年のような妃である阿多妃と天女のような宦官である壬氏、正反対にも見えてどこか2人が似ているのにもこれなら納得がいきます。
壬氏はどんな人物?
年齢も実際は24歳ではなく18歳(物語開始当時)。
このことはガンガン版7巻で34話での高順との会話にて、息子と同じ19歳だと話していることから分かります。
本当に男性として不能になっているわけではなく、女性らしい容姿を保つために芋の粉を毎日服用していることもここで判明します。
なぜ年まで偽っているのでしょう、しかも6歳は結構なサバ読みです。
高位の宦官として不自然でないようにするためもあるでしょうが、出征の秘密を隠すためという意味もあるのかも知れませんね。
また表向きは宦官として後宮で仕事をしていますが、本当の仕事は皇帝に反逆する者を探すことでした。
あんなに様々な事件に詳しく関わっていたのもこれで納得です。
また皇帝の后として相応しい者とそうでない者の選別も任されているようです。
【薬屋のひとりごと】壬氏の父親はだれなのか?
『薬屋のひとりごと』の壬氏の実父は、物語の中で彼の兄とされている皇帝であることが明らかになります。
皇帝は威厳のある人物で、立派な髭を生やしており、若いころは女性を好んで後宮に集めていました。
通常であれば後宮から追放される女性たちを、皇帝は特別に保護していました。これは彼が情に厚い人物であったことを示しています。
壬氏は、この皇帝が自分の実父であることを知らず、祖父である先帝を父と信じて育ちました。
壬氏は、自分の容姿が先帝や母后、兄弟姉妹と似ていないことに疑問を抱いていました。
しかし、先帝の若い頃を知る侍女たちは、壬氏の声や顔が先帝に似ていると述べています。
父親の正体を知らずに育った壬氏の心情は、読者にとっては複雑な感情を引き起こす部分があるかもしれません。
壬氏の出生の秘密とは?
衝撃だった壬氏の出生の秘密ですが、知っているのはごくわずかのようです。
秘密をしっているのは当事者である現皇帝と阿多妃、そして皇太后のみ。やはり極秘事項ですね。
しかし壬氏の秘密はそれほどまでに重要な事実なのです。
現皇帝と阿多妃の死んだとされていた子供だとすると、壬氏は現皇帝の息子、つまり皇太子ということになります。
梨花妃の東宮が無くなった状況で考えると唯一のお世継ぎ。
また現在原作で無事生まれた玉葉妃の第2子は東宮なので、その子からすると腹違いの兄。
どちらにせよ皇位継承を大きく揺るがす真実です。
子供のすり替えに気づいた時にはもう本当の皇太后の子供が死んでいたとすれば、壬氏の真実はもう隠すほかなかったのでしょう。
では壬氏自身はこの事実を知っているのでしょうか?実は知りません。
正確にいうとすり替えの事実だけは知らず、壬氏は自分が皇帝の弟だと教えられ、ここまで育ちます。
壬氏は現皇帝を父ではなく兄だと信じ、その責務を全うしようとしているのです。
阿多妃と皇帝の関係は?
阿多妃は現皇帝の即位前、東宮の頃からの古株の妃です。
歳は35歳で凛々しく中性的な青年のような美しさがあります。
現皇帝とはそもそも乳兄弟で、幼い頃から仲が良かったようです。
楼蘭妃が来ることで後宮を追い出されてしまいますが、その後は離宮にて皇帝の相談役となっています。
子を産めない体になりながらも長らく後宮にいたのは、現皇帝が幼馴染として愛着を持っていたからとありました。
ですがもしかしたら、本当の我が子である壬氏の様子が気になる阿多妃の思いを皇帝が少なからず汲み取っていたのではないかとも思います。
自分の子供の場にいたいという気持ちは親なら当たり前の感情です。
出生の秘密を知らない壬氏は阿多妃が実の母親だとは知らず、ただの宦官と妃という関係だと思っています。
それでも後宮を離れる前夜一緒に飲みたいと誘う阿多妃と、事実は知らないはずなのに阿多妃と飲み涙する壬氏を見ると感慨深い気持ちになってしまいます。
壬氏と猫猫の関係は?
壬氏と猫猫はもともとは宦官と下女という関係性でした。
物語初めての事件であるお世継ぎの不審死が続いた後宮で、その原因を突き止めた猫猫。
関わり合いたくない猫猫はこっそりと両妃の元に文を残しますが、壬氏はこれが猫猫の仕業だと気づきます。
この事件をきっかけに壬氏は猫猫に目をかけ始めます。
当初は壬氏が薬の知識に明るい猫猫を使える駒、面白い玩具としてちょっかいを出しますが、物語が進むにつれて壬氏の気持ちは恋に変わってきます。
そしてなかなか素直になれない壬氏と鈍感で壬氏の気持ちに気づかない猫猫のやり取りは、この漫画の最大の見どころだと言えます!
例えば壬氏が園遊会で猫猫にかんざしを渡すシーン。
明言されていませんが、本来かんざしを渡すということはプロポーズなど恋愛的意味合いがあるようです。
漫画版ではガンガン版とサンデー版で少し表現が違って見えますが、どちらも壬氏は猫猫が攫われて後宮に来たことを知り、管理が行き届かず済まないと謝罪のとしてかんざしを渡します。
猫猫はかんざしの本来の意味を知らないため、何故もらったのだろうくらいにしか感じませんが、壬氏の表情を見れば・・・。
猫猫はなぜ気づかないんだろうと思ってしまうデレ顔をみせてくれています。
そんな壬氏ですが、小説版では実はすでに猫猫にプロポーズをしています!
これもかなりキュンとするエピソードになります。
猫猫に喧嘩交じりに伝えたいことがあるならはっきり言えばいいと言われ、それに対し壬氏は勢いで「よく聞け!俺は、おまえを妻にする!」とプロポーズしてします。
ツンデレな壬氏から出るとは思えなかったまさかのドストレートな告白でした。
ですが個人的には壬氏のこの後の展開の方が熱かったです!
このご時世、位も高い壬氏から妻にすると言われれば猫猫は断ることなどできず、そしてそのような無理やりの結婚を壬氏が望むはずもありません。
そこで壬氏は「必ず、納得するだけの状況にしてやる、覚悟していろ」と猫猫に伝えます。
このまるで宣戦布告のようなプロポーズ、壬氏がめちゃめちゃ格好よく感じました。
漫画で、できれば声付きのアニメで、そのシーン見れる日が来ることを願ってやみません!
まとめ:【薬屋のひとりごと】壬氏の正体は?出生の秘密や猫猫との関係は?
『薬屋のひとりごと』の謎多きメインキャラクター、壬氏について紹介していきました。
実は宦官ではなく、亡くなったと思われていた現皇帝と阿多妃との息子だった壬氏。
しかもその事実を本人は知りません。
阿多妃のエピソードはガンガン版だと4巻に主に収録されていますが、これらの事実を踏まえてまた読み返してみると、阿多妃や壬氏の言動もまた少し違ったものに感じると思います。
また猫猫とのこれからもとても気になりますね。
プロポーズはしたといっても、これから壬氏がどう猫猫を納得させていくのか・・・。
まだまだこれからも薬屋のひとりごとから目が離せません!
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